最近よく耳にする言葉【DEI】をご存じでしょうか。
今の世の中、DEIの価値観からずれていると”時代遅れ”と言われかねません。
D・・・Diversity(多様性)
E・・・Equity(公平性)
I・・・Inclusion(包括性)
多様性という言葉は以前からもしばしば聞かれることがあると思います。これは、年齢や性別、セクシャリティ(性的指向)、人種、国籍、民族、宗教、障がいなどの違いにかかわらず、すべての人にとって心地よい居場所があることを意味しています。「多様性を尊重しましょう」などと言われますが、「色んな人がいるよね」「十人十色」みたいな意味です。
続いて公平性。実はコレ、意外にも意味を正しく理解出来ていないことが多いのですが、「平等(Equality)」と「公平(Equity)」は意味が違ってきます。左の図にあるように、平等は全員に対して同じ対応をすること。背の高い大人にも背の低い子供にも同じ高さの台が”平等に”与えられています。これに対して右の図にあるように、公平はそれぞれの状況に合わせて対応を変え、全員が同じ機会を確保出来るようにすること。身長差を考慮して背の低い子供には台を2つ用意する一方で、背の高い大人に台は不要ですのでありません。この状況によって、3人は”公平に”野球を観る機会を与えられることとなりました。DEIのEは公平(Equity)の方のEとなります。
最後は包括性。一人ひとりの多様性が認められ、誰もがチームや組織などの集団に貢献出来ることを意味します。「みんな違って、みんないい。」という価値観です。
では、何故こどもマナースクール PITのブログでDEIを取り上げるのでしょうか?
答えは簡単。
①周囲の人を気遣うマナーにおいてDEIの価値観が大事だから
②小学受験においては親子ともにDEIの価値観を必要とするから
です。
先ず①。未就学児のお子様は、大人ほど空気を読みません。自分の気持ちをストレートに表現します。それがゆえに、意見が合わずしばしばケンカになったり物の取り合いになったりするのです。ところが、少しでも「自分と人は違う」という概念が解っていたらどうでしょうか。自分と同じように考えないんだな、この子は今どういう気持ちなんだろう・・・というふうに、相手の気持ちや立場を想像するようになります。これが、マナーです。お邪魔したお友達の家で靴を揃えるのは、お家の方に気持ちよく迎え入れて頂くため。点字ブロックの上に駐輪しないのは、目の見えない人が安心して歩けるように。滑り台の順番を抜かさないのは、みんなで楽しく遊ぶため。この理由に行きつく過程にあるのが、DEIの価値観なのです。
次に②。行動観察時にはお友達を気遣うのがマナーですから、ここは①に準じます。お子様にとって面接時は自分を知って貰うという意味で、自分が何者なのかをしっかり相手に伝えることが肝要です。そして、親子面接の場合はお子様だけでなく保護者の方々も同様となりますし、それに加えて親として旧態依然とした差別の残る教育方針を家庭で展開していないか?を、学校側に見られるということも知っておく必要があります。父親&母親ともいる場合、夫婦間で互いを尊敬せず認め合っていないような関係性が面接のやり取りから垣間見えてしまうと、子供の受験の足を引っ張ることにもなりかねません。片親の場合は、子どもと主従関係のような形になっていないか?別人格として尊重された子育てをして来られたか?
を、親子のちょっとしたやり取りから見られていると思って下さい。
DEIの価値観は、子ども/親関係なく現代社会に生きる者として必要な考え方です。マナーレッスンや小学校受験を通して、我が家のDEIを再点検してみてはいかがでしょうか。
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