褒められて嫌な人は、おそらく基本いないと思います。当たり前ですが、「嬉しいから」でしょう。このメカニズムをもう少し詳しく掘り下げると、自分が何かをした時に・・・
①周りでそれを見ている人がいる(環境)
↓
②やったことを認めてくれる(認知)
↓
③その結果に対して褒めてくれる(賞賛)
となる訳ですが、①~③はどれが欠けても成立しません。このことは、「褒めるスキル③だけを磨くだけではダメ」ということを意味しています。
①環境
褒められるということは、褒めてくれるであろう他者がその子の周りにいることが大前提となります。当たり前のことですが、1人ぼっちではどんな良いことをしても褒めては貰えません。もちろん、「だから1人でいる時は良いことをしなくても良い、しても意味がない」と言っているわけではありません。ただ、褒められた時に貰えるパワーは、次のアクションを起こす上で非常に大きな原動力となります。このパワーを使って次に繋げる為には環境が大事、ということです。ちなみに、ただ単に周囲にいるだけでも意味はありません。現認してくれる人でなければなりません。ということは、その子どもに興味を持っている必要があります。したがって、多くの場合では親・祖父母・先生はじめ近親者がこれに当たります。
②認知
ただ見てくれていれば良いということでもない、という話です。やったことに対して「○○出来たんだね」と先ず認めてあげることが必要です。認める前に褒めてしまうと“適当感”がにじみ出てしまいます。というか、これはそもそも「褒める」ではなく「褒めているつもり」です。宿題が出来たと言って見せに来る子供に対してノートに目もやらず「出来たね、偉いね」では、子供は認めて貰えたという気になりません。子供の感受性は豊かで、こういった態度は見透かされます。これが続けば子供は「何をしても(適当にしか)認めて貰えない」となり、その後のやる気パワーは萎えるだけです。しっかり見届けて事実を認知してあげることが重要となります。
③賞賛
ここまで出来て、やっと実際に褒める気持ちが子供の心に届きます。ただし、ここでもちょっとしたテクニックは必要です。ただ褒めれば良いのではなく、いかにして次のやる気パワーに繋げられるか?が勝負ですので、とにかく気持ち良くなって貰わねばなりません。その為に最も大事なのは、自分の思っているテンションの3割増しで褒めること。とにかく非日常・劇場型です。俳優やエンターテイナーになったつもりで褒めてあげましょう。
次に大事なのは、出来るだけタイムリーに褒めること。どんなに素晴らしいことがあってそれに対してどんなに褒めたとしても、1年前の話ではただの思い出話にしかなりません。また、詳細は色褪せてしまっているので細かな情景を思い出しながらそのひとつひとつを正確に褒めてあげることも困難です。その場で褒めるのがベスト、それが無理でも電話やメールを使うなど出来るだけ記憶の新しいうちに褒めてあげて下さい。
最後に大事なのは、同じことを何度も褒めること。違う言葉にしてみたり、思い出したようにさっき褒めたことをまた褒めたりします。おじいちゃんやおばあちゃんが家に遊びに来た際、子供の目の前で先日の褒め話を伝えるのも非常に有効です。自分が褒められた話を第三者的に聞くことは、子供の優越感を増幅させます。更にその話を受けたおじいちゃんやおばあちゃんも子供を褒めてくれます。これが【褒めシャワー】です。褒めシャワーを何度も浴びせることは、1つの良い行いが持つ威力を増大させてくれます。そうなると、子供は次の良い行いをよりしたくなります。こうして褒められるスパイラルを子供自らが作り出すのです。
①~③を繰り返すことで、褒められる快感を実感させてあげましょう♪
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