小学校受験の必須課題「行動観察」。集団の中でどのような立ち振る舞いをするか?を見定められる時間です。もちろん、
・ふざけてしまう
・無関心で輪っかに入らない
・先生の話を聞かない
・ウロウロしてしまう
などは論外ですが、そういったマイナス面を見つけて減点評価するだけが行動観察ではありません。与えられた課題に対してどのように向き合っているか?という部分もちゃんと見ています。集団の中でどのように振舞うか?というのを見ることは、小学校入学後の集団生活をきちんと送れるか?を見ることでもあるからです。
では、どういう子が小学校にとって求められる存在なのでしょうか。
これには様々な答えがあります。小学校は幼稚園や保育園に比べて格段に多様な社会です。リーダー役、参謀役、対抗勢力、静観者などなど様々なキャラクターが集まるわけですが、その中でも親目線ではとかくリーダー役が最も良いと考えられがちです。ですが、リーダー役を務められるのは、この年頃ではやはり”優等生”に限られることが多いのも事実。また、そもそもリーダーしかいない社会なんて、大人になったってどこにも存在しません。
ならば、どのポジションを狙いに行くか?答えはズバリ「参謀役」です。難しく聞こえますが要するに補佐、もっと簡単に言えばそのチームにとっての協力者です。参謀とは本来高級指揮官のもとで作戦や用兵などの計画を立てる将校のことを指しますが、子供たちの世界に置き換えると
・リーダーを助ける人
・リーダーとみんなの真ん中に立つ人
のような位置づけになるでしょう。
これを行動観察時に当てはめてみるとどうなるでしょうか?
先ずは優等生のリーダーが「じゃあこうしよう!」「僕コレやるから君はアレして」などと場を仕切り始めます。その時、場ではしばしば「コレはやりたくない」「私がアレをしたかったのに」などといった争いが起こります。そこで参謀役の出番です。「じゃあこうしようよ」とか「こんなのはどうかな?」といった一言が言えると、その子はそのグループの中で重要な役回りを担います。もしそこまで具体的な提案が言えないにしても、「どうする?」と周囲に疑問を投げ変えられるだけでもOKです。そうやってグループ全体が意見を交わし、集約され、物事が進んでいくというプロセスが形作られるわけであり、その過程において参謀役はとても重要な存在なのです。
この声掛けはグループ内の誰でもやれる声掛けですが、実際に見てみると案外やっている子どもが少ないことに気づきます。この「自律的かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ支援すること」をフォロワーシップと言います。
リーダまではうちの子にはちょっと・・・と思ったら、ぜひ「どうする?みんなで考えよう!って言ってみたら?」とお子様にヒントを差し出してみてはいかがでしょうか。フォロワーシップを実践出来る子は行動観察において一目置かれる存在となり、きっと加点評価に繋がることでしょう。
Kommentare