話を聴く時には共感と傾聴が大事、という話。
これはなにも子どもに限った話ではなく、大人同士でも同じ大原則です。
共感は思いやり=マナー
共感力は、思いやりのある会話に欠かせません。相手を思いやる気持ちをもって聴いていることは、目線や表情・言葉の優しさなどコミュニケーションの端々に表れるため必ず話し手に伝わります。これは大人同士でも、大人と子どもでも変わりありません。
ですので、お子様の話を聴く際はぜひ子どもの話を出来るだけ真剣に聞いてあげて下さい。もちろん、ご飯の支度をしている、洗濯、掃除、在宅でのお仕事など、お家の中にいてもやることは沢山あるかと思います。そんな中で子どもの話を聴くために、毎回ひざを突き合わせて話を聴くのは難しい・・・。そんな時は、ほんの少しで構いません。声をかけられた瞬間だけ、もしくは何かを見せたそうにしている瞬間だけで良いので、そちらを向いて目を合わせることで「あなたの話に興味・関心を持っていますよ」ということを表しながら話を聴いてあげて下さい。この寄り添う姿勢こそが、思いやりなのです。きっとお子様は自分自身の存在を認めてくれたと感じ、目を輝かせながら話の続きをしてくれることでしょう。
共感と同感は一緒じゃない
話は変わりますが、「共感」が「同感」や「同意」とごちゃ混ぜになっている方が意外と多くおられます。ですが、「共感」と「同感・同意」は違うものです。
同感や同意は「私はあなたと同じ気持ちです」「私はあなたと同じ意見です」ということを言います。つまり、この場合は子どもの意見に同調したり賛成しないといけないことになります。しかしながら、当然子どもの意見に100%賛成することなどはできません。あなた(子ども)の考えは正しくないということを教えなければならない時の方が、親としては多いかも知れません。
一方で、共感というのは「あなたはそういう風に思っているのですね」「そういった考えなのですね」というところまでの話。必ずしも同調したり賛成する必要はなく、相手(子ども)が思っている気持ちや考えをそのまま受け止めてあげるだけです。大人であり親である自分と異なる価値観を持っていたとしても、それを否定しないで下さい。人と違った考えを持っていて良いのですから、それを認めるところから始めて下さい。これも寄り添う心の表れの1つです。これによって、子どもは自分の多様性を認められたのと同じく、他者の多様性をも認められるようになります。
傾聴とは「耳と十四の心を傾けて聴く」こと
「聞く」と「聴く」は違います、というのは良く「聞く」話ですよね。英語で言うと「hear」と「listen」になりますよね。
聞く/hear・・・自然と聞こえるもの
聴く/listen・・・意識して聴くもの
「聴く」はその漢字の作りから耳と十四の心できく・・・なんていう言い方もされます。ですから、傾聴とは耳と十四の心を傾けて聴くわけです。意識せず自然と耳に入って来てしまう音とは全く異なりますよね。
そうやって親身になって聴いていますよ、というのを分かりやすく相手(子ども)に伝える手段がいくつかあります。
①話す:聴く=2:8
人の話を聴く時は、先ず徹底的に聴く側にまわることを強くお勧めします。話すのと聴く割合は2:8にしてみましょう。それだけで、相手は(あぁ、自分のことをよく分かってくれようとしているな)と感じます。そうなると心を開いて話してくれるようになります。
②うなずく
聴いている最中は、聴いているという証として「うん、うん」と時折うなずきながら聴きましょう。「今話してくれていることに私は興味を持って聴いています」というサインです。そのサインが出続ける限り、相手は話し続けてくれるでしょう。
③オウム返しをする
とはいえ、ひたすら無言で聴いていると、話し手は(この人本当に聞いているのかな)と不安になってしまいます。そんな時は相手の言葉をオウム返ししてみて下さい。「今日ね、幼稚園でね、○○したんだよ!」「そうなんだ、幼稚園で○○したんだね」これだけで子どもは聴いて貰えている感覚を強く持つことが出来ます。
共感と傾聴。この2つの組み合わせを大切にしながら、これからも親子のコミュニケーションを楽しくとって下さい♪
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