前回のブログ「失敗のススメ」の次は、失敗からの立ち直り方についてのお話です。
前回は、「挑戦する中で失敗という経験を積み成功を勝ち取ろう!」
そんな「失敗は成功のもと」というお話でしたが、そうかと言ってもやはり私たちは感情を持った生き物です。失敗したら残念な気持ちになったり、凹んだりします。これは大人に限った話ではなく子どもだって同じ、大失敗となれば立ち直るのに多くの時間を要することも。子どもの場合は論理的に考えることが難しく感情が優先してしまいがちでもあるので、大人以上に大ごとととらえ泣きわめいたりすることもあるでしょう。
そんな時に必要なのが、凹んだ状態から再び立ち上がる力=レジリエンス(回復力)です。レジリエンスを鍛え、育むことで、心の健康を保ちストレスと上手に付き合うことが出来るようになります。
まず、失敗というストレスを感じると意欲を失います。これが凹んだ状態です。ここから時間をかけて元の精神状態まで戻していこうとするわけですが、レジリエンスが高い人とそうでない人ではどん底から這い上がるスピードが異なります。
では、どうやったら我が子のレジリエンスを育むことが出来るのでしょうか?
それは、「小さな失敗と立ち直りを繰り返す」のです。
・・・え??
それって失敗のススメ???
そう、その通りです。ここに繋がっているのです!
小さな失敗を沢山繰り返すことで、より良い立ち上がり方を学びます。上手に立ち直る経験が出来ると、次の失敗は前より怖くなくなるので挑戦しようという意欲も湧きます。この好循環のサイクルが回ることで、失敗を恐れず何度も挑戦し、仮に失敗しても早く立ち直ることが出来て次の挑戦に臨むことが出来るというわけです。
さて、ここでポイントになるのが失敗の大きさです。大きな失敗では立ち直るのにやはり時間がかかります。そうなると、途中で(自分は本当に立ち直れるのだろうか)と不安になったり(やっぱり自分はダメな子なんだ)とあきらめてしまったりするかもしれません。なので、ちょっとした忘れ物をする、時間までに出来なかった、包丁で指を少し切ってしまう、ジャンプして飛び越えきれず引っかかって転ぶ・・・など、ちょっとした失敗(そこには物理的な痛みが少し伴うこともありますが)をさせること、そしてその時親が先回りして予防しないことが肝要です。ここには子供を信じる親の心=見守る親の愛が必要となります。
そっと見守り、失敗して泣きついてきたら受け入れてあげ、話を聞き、応援して、最後は「話してくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝える。これら一連の親の対応は、きっと子どもにとってかけがえのない宝物のような経験となることでしょう。日常生活の中には、レジリエンスを育むための小さな失敗が沢山転がっています。そんな小さな失敗は大歓迎ぐらいの気持ちで接してあげる。「少なくても家の中での失敗はして良いものだし許されるものだ。」とお子様が思えたら、レジリエンスを育む環境としてはパーフェクトです。
なお、レジリエンスが高い人には以下のような特徴があります。人としての成長を考える上でも、レジリエンスを鍛えることで素晴らしい効果が見込まれていることがお分かり頂けるかと思います。
・失敗しても、それを糧に成長出来る
・メンタルが落ち込んでからの復活が早い
・困難なミッションに対して、「自分は達成できる」と思い、挑戦する
・自分の強みや弱みを理解している
・ありのままの自分を受け入れている
・他人と自分を安易に比較しない
小さな失敗を経験しながらも恐れずにチャレンジし続けられる。そんな心理的安全性を確保した家庭環境をお子様に提供出来ていますか?
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